金価格は投機マネーで動く!相関関係が強い要素は米ドル

為替や株価に連動する金価格の動き

為替や株価に連動する金価格の動き

純金は魅力的でそれ自体の価値が高い物質です。その価値は長期的な視点で見ても「上昇トレンド」と言えます。

ただ、需要と供給の関係で世界中が純金を欲しているから、純金の価値が高まっているかというと、似て非なるものがあります。

南アフリカでの純金の生産量が下がっても、インドや中国での経済発展で需要が急増しても、まだ純金が不足している事態には陥っていません。将来、純金は希少価値が高まって価格が上昇していきますが、未だに極端な流通量の減少はありません。

逆にワシントン協定により各国政府が保有する純金の売却を制限したときも、そこまで価格は上がりませんでした。

実は現在において、金価格の動きに強く関係しているのは米ドルであり、さらにインフレ懸念や金利上昇、景気や有事の状況により変化する投資対象との連動が顕著です。

例えば、米ドルなどの為替、株式や債券が不安定になると、資金は純金に流れます。純金は実物資産であり、どの国が破綻したとしても価格下落がなく、安全だからです。不況が続いたり、景気の先行きが不透明ですと金価格が上がります。

逆に世界中が好景気に沸けば、年利10%を超える株式や債券のほうが「純金に預けるより得」ですので、純金を買う需要が減って価格は下がります。

ただし、純金にはマネーとしての価値だけではなく、商品しての需要があるので、不況で上昇した以上の勢いで、急落することはあまりありません。

24時間売買されるドル建ての純金

純金は世界中で24時間取引されています。世界的には「1トロイオンス=1,000ドル」のように価格が表示されるわけです。ちなみに貴金属の重さを量るトロイオンスは「1トロイオンス=31.1034768g」に相当します。

世界のマーケットはシドニーから始まり、東京、香港、シンガポール、上海、ロンドンなどで取引され、ニューヨーク市場で終わります。これらは全ての純金「1トロイオンス=1,000ドル」のようなドル建ての国際価格で取引されています。

一方、世界と日本における現物取引では、ドル建ての国際金価格を「1g=4,000円」と円建てで換算した後に、純金の輸送費や保険料を加算した金額で取引されます。

つまり、ドル建ての金価格のほうが純金そのものの価値より、相対的に安くなります。これは純金に限らず、原油や穀物でも現地調達のほうが安い理由と同じです。

ただ、日々の金価格の変動に比べてみると、必要経費はそこまでのパーセンテージではありません。それよりも円高のときに純金を購入するほうがお得だったりします。

ドル建ての純金を米ドルで購入するときに、円高のほうが多くの米ドルに両替できるため、受け取る純金の量も増えます。米ドルや日本円の価格が動くと、間接的に金価格が変動しているように見えるわけです。

ドル建ての純金はドル安円高では日本円で買いやすくなり、ドル高円安では日本円で買いにくくなります。

また、日本に住む私たちは円建ての金価格で売買しますが、結局は「ドル建ての金価格に米ドルと日本円の為替レートを反映させたもの」が円建ての金価格として流通しているため、同じように為替レートが関わってきます。

米ドルの信用不安で金価格が上昇

米ドルの信用不安で金価格は上昇1年で急激に米ドルの価値が下がり、仮に「1ドル=150円」が100円になったとします。実際にリーマンショックのときのように起こりえる現象です。

この急落の間、ドル建ての金価格は上下に変動しながらも、結局は「1g=30ドル」で変わりませんでした。

ドル建ての金価格は変わらずに、為替レートだけが動いた状態です。その結果、1年前は「1g=30ドル=4,500円」でしたが、現在は「1g=30ドル=3,000円」になります。

このようにドル建ての純金はドル安円高でお買い得になる傾向があります。逆にドル高円安では高くなるわけです。円建ての金価格とは「ドル建ての金価格×米ドルと日本円の為替レート」を反映しています。

通常、円建ての金価格と米ドルは相関しており、円建ての金価格はドル安円高で下落し、ドル高円安になれば上昇します。

ただ、経済は単純な動きをしません。世界的にドル安になると諸外国では金価格が安くなるために、各国の投資家が純金を買い漁って、逆にドル建ての金価格もグンと上昇することもあります。

普段は米ドルに投資していたマネーが純金に流れることで、ドル建ての金価格はその勢いを増します。

また、2008年にサブプライムショックの影響でドル安が加速したとき、ドル安で徐々に値下がりするはずの金価格は「1g=3,000円」から一気に2,500円まで下がりました。これは予想以上の下落幅です。

いくらドル安円高で「純金がお買い得」だとしても、あまりにダメージが大きい不況で金融機関から個人投資家までが手元に現金を必要としたため、一斉に純金を売却したことが原因でした。

その後は予想していた通り、2009年になると純金が買い戻しが起こって「1g=3,000円」まで回復します。2009~2012年は米国経済は不安定さが残り、米国は輸出増を狙った意図的なドル安も起こしましたが、その動きに逆らって金価格は上昇し続けます。

このように金価格を明確に予想することは難しいですが、基本的にはドル建てと円建ての両方の金価格を見ながら「投機マネーがどこに流れているか」と「米ドルと日本円の為替レートの動きはどうか」の2点に注目すると、その原因がつかめます。

例えば「ドル建ての金価格が下降しているが、円建ての金価格が上昇している」ときは「投機マネーが純金から株式に流れ、ドル高円安になっている」ことがわかるわけです。

やはり、純金の商品としての実需よりも、儲かる商品に大量投入される投機マネーと、それに常に絡む為替レートが金価格を動かします。

最近の貴金属市場の傾向

純金積立をすると「価格の上昇=価値の上昇」と勘違いしやすいですが、純金自体の価値は緩やかな上昇傾向にあるだけです。

純金そのものの価値は急激に変動しません。確かに地球上に存在する純金の絶対量も算出されていますが、他の貴金属やレアメタルと比較して、突出して需要が高いわけでもないです。

あくまで長期的に供給量が減っていくために「長期的に価格が上がっていく=長期的に価格は下がらない」と認識したいです。

現在の純金の供給量は、まだ需要に応えています。もちろん「供給量が減っている」と世間が知ったときには、すでに投資商品としての金価格が上昇しているためにチャンスを逃しますが、あと数年は供給不足が原因で金価格が高騰することはないでしょう。

1年後に上昇する保証はなくても10年後の上昇を期待して、今の内からコツコツ投資していくことが賢い選択です。

つまり、短期間の金価格は投機マネーに翻弄されることもありますし、経済ニュース自体が気になったりしますが、長期的には為替や株価の煽りで価格が大幅に下落する確率も少なく、むしろ値上がりするのであれば、一喜一憂する必要はないでしょう。

また、純金は過去の実績から見ても、インフレや世界的な有事に強いです。したがって、資産の一部として長期間購入と保有し続けて、他の金融商品と組み合わせることができます。投資というよりも「リスクに備える資産」と捉える考え方も有効です。

一方、米ドルと株式の価格が乱高下しているときは、むやみにハイリスクの金融商品には手を出さずに、純金を購入し続けながらタイミングを見て、また別の金融商品に切り替える人もいます。

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公開日公開日 2008.04.11
更新日更新日 2016.02.07

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