純金を生産する仕組み!純金積立会社は純金を採掘していない

採掘コストの高まりが金価格を押し上げる

採掘コストの高まりが金価格を押し上げる

純金積立はネット上で申し込んで、翌月から始められるシンプルな金融商品ですが、長期的に続ける人が多いために、できたら純金を「どうやって調達しているか」や「どのように買い付けているか」を知っておいたほうが安心です。

まずはじめに、純金積立会社は金鉱山の採掘権を持っているわけではなく、自社で地金の製造している会社も限られています。その多くは商社と似ていて、海外から東京商品取引所に持ち込まれた地金を買い取って、国内の顧客に販売しています。

そのため、生産力という意味では海外が主流です。純金の生産量は世界で毎年2,000~2,500トンほどで、2000年以降では南アフリカが毎年トップでしたが、2007年には中国が年間生産量で1位になりました。

2008~2012年も中国が1位をキープしています。2012年時点では中国、ロシア、オーストラリア、米国、南アフリカ、カナダの順でした。やはり、主要産金国では中国は労働コストが安く、消費量も伸びていているので採算が取りやすいです。

また、金鉱石1トンから取れる純金は5g未満ですが、すでに採掘しやすい場所はあまり残されていません。残るは海底や地底5,000mなどのコストがかかる場所のみのため、労働力の単価が採掘の有無を決定します。

例えば、2009年の採掘コストは2008年より約6%も上がっています。南アフリカやオーストラリアでも「1トロイオンス=約31.1g」あたり、700ドル以上の採掘コストがかかっています。

このままでは10年以内に採掘コストは900ドルを突破します。企業が合併して経費を圧縮したり、新興国の安い労働力を投入しても、採掘コストが合わないと金鉱山は停止してしまうでしょう。

都市鉱山と呼ばれるリサイクル資源

日本でも年間10トン未満の純金を採掘してますが、世界の生産量の0.5%にも届きません。しかしながら、日本にある純金の埋蔵量は実は世界一です。

これは一般的に「都市鉱山」という名称で知られている通り、日本国内にある不要品として廃棄された製品の中に、純金が大量に眠っているためです。

純金は原油と違い、何度使っても消費や劣化がないので、どこかに存在します。今までに17万トン以上の純金が採掘、加工、販売されてきましたが、その全てがこの地上に残っています。

現在、日本では使っていないリサイクル中の家電や携帯電話にある中古金属のリサイクルが活発化しています。元々、不要品を回収して、再生するフローが国内にあったため、純金やレアメタルをリサイクルする工場もスムーズに増設されました。

ただ、純金のリサイクルは中国、インド、トルコなどに先手を取られており、日本国内の中古金属が海外に流出してしまっている状況も危惧されています。

もし、国内で純金のリサイクルが安定すれば、年間100トンを超える生産量を日本が持つことになり、国内の金価格もいい意味で上昇を限定されることでしょう。

経済や環境面から見ると、金価格は徐々に上がっていくことが望ましいので、投資マネーによる急騰を防止するためにも、リサイクルは促進してもらいたいです。純金積立もゆっくりと長期的に金価格が上がることを想定した投資です。

また、仮に金価格があまりに高騰すると、今度は採掘コストの採算が合って、各国で金鉱山が再稼動して、結局は金価格が下がりすることもあります。

ただし、その後は純金がほぼ枯渇して、採掘することが不可能になります。やはり、リサイクルで需要と供給のバランスを調整していってほしいです。

安いタイミングで大量に保有する

純金積立会社は価格が上昇する純金を安いタイミングで一括購入したいため、コストを抑える仕組みを構築してます。

例えば、私たちが毎月1万円ずつ純金を積み立てるとして、口座からは1カ月に1回だけ決まった日に1万円が引き落とされます。

純金はドルコスト平均法で少しずつ仕入れていますので、1万円を1カ月間の営業日数である20日で割ると「1万円÷20日=1日あたり500円分」です。

しかし、本当に純金積立会社が500円分の純金を毎日仕入れているのかというと、わざわざ仕入れていません。重さに換算しても500円分は0.15g足らずです。

顧客全員分を合わせれば、まとまった純金になるのですが、それでも毎日買い付けに走っているかと言えば違います。

実は純金をあらかじめ大量に買い付けておいて、各社で契約している金庫に保管しておき、そこから500円分の権利をお客様に配分しています。純金積立会社によっては、日本ではなく国際的な取引が最大級のロンドンで保管している場合もあります。

純金が安いタイミングを見計らって大量に仕入れておけば、お客様に購入してもらう時点で差額が発生し、会社の利益にもなるわけです。

逆に安いタイミングを逃すと、損をしてしまう可能性もありますが、純金積立会社はそのリスクを知識で軽減しています。もちろん、全ての純金積立会社がこの仕組みではありません。

鉱山会社も価格を予測しながら売買

顧客と純金積立会社だけではなく、貴金属地金商と純金を採掘している鉱山会社でも先買いや先売りをしています。

金価格が堅調に推移すれば問題ないですが、仮に「高値になる」と予想できたら先行投資で購入したほうが得です。

そのため、貴金属地金商と鉱山会社の間では、生産予定の純金を現時点の価格で購入していたりします。例えば、貴金属地金商が現時点の価格で、鉱山会社が1年後に生産する純金3,000kgに買っておいて、現物をあとから受け取ることもできるわけです。

もちろん、これには双方の合意が必要ですが、貴金属地金商は値上がりリスク、鉱山会社は値下がりリスクを回避しながら、数年先までの契約も結べたりします。

このような売買は常にされています。特に1990年代後半の金価格は2013年比で1/4以下と非常に低くて、その傾向が顕著です。

当時は大量に純金を保有していた各国の中央銀行が売却をしようとしていたので、専門筋は「純金の供給量が上がる」と予測しました。そのため、徐々に金価格が低下し始めます。

そのときは鉱山会社も「金価格が1年後に下がる前に、現在の金価格で売りたい」と考え、大量に純金の信用売りをします。

しかし、2000年のワシントン協定で各国の中央銀行が「純金の売却を制限する」ことに合意しました。鉱山会社も市場に流した純金を買い直したため、流通量の減少から金価格は高騰します。

さらに専門筋は「今後は純金の実需が増していく」と考え、鉱山会社も信用売りをしなくなり、生産力の増強を計りました。

このように私たちが「純金積立会社を経由して、即時に売買している」と思っていた純金は、採掘を担う鉱山会社と商品を仕入れる貴金属地金商の動向次第で、価格が上下することもあります。

それとは別に、南アフリカのプラチナ鉱山で働く労働者がストを起こしたとき、プラチナ価格が急騰したこともありました。

ただ、毎月コツコツと積み立てる純金積立では、そこまでの裏事情に精通する必要はありません。私たちは「不変的な価値がある純金は、供給量が減りながら需要が高まっているために、徐々に価格は上がっていく」と認識できれば問題ないです。

初心者も安心できる純金積立会社

マネックス証券
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公開日公開日 2008.04.14
更新日更新日 2015.10.24

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純金積立コツコツ入門編集部
純金積立コツコツ入門編集部
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純金積立の基礎知識、専門用語、テクニックを徹底解説。純金積立会社の比較や金投資のノウハウも紹介しています。

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