純金は24時間世界中で売買されているため、価格は常に変化しています。その中でも世界中の金地金の在庫が集まっているロンドン市場が、世界中の金価格の指標です。
ロンドン市場ではイングランド銀行の監視下で、顧客の注文に応じて実取引ができる「マーケットメーカー」が売り買いをします。このロンドン市場での現物取引のことを「ロコ・ロンドン」と呼びます。
日本国内ではこのロコ・ロンドンによるドル建ての金価格から、1gあたりの円建ての金価格に換算し、金の輸送費や保険料、製錬費用を加えた価格で取引されます。
海外のドル建ても国内の円建てでも、金価格が決まるまでは要因に強弱はあるものの、多くの事象が複雑に関連します。
そもそも、純金には商品と通貨の両面の価値があります。
純金を商品としてみた場合、需要が供給を上回れば価格は上がり、需要が供給を下回れば価格は下がります。
世界中の純金を集めると、宝飾品のシェアが高いですが、年間ではインドや中国などの一部の新興国を除いで、宝飾品としての需要は減ってきています。
この結果、金価格が下がるはずですが、代わりにパソコン、携帯電話、液晶テレビなどの電子機器の需要が伸び、商品としての価値は保たれているため、激しい値動きにはなりません。
ただ、それら宝飾品と工芸品による商品の需要よりも、通貨としての影響力のほうが強くなってきています。年間需要ではついに2009年に民間投資用が需要1位だった宝飾品を追い越しました。
純金は商品の需要よりも通貨、つまり、投資マネーの影響力が強いため、「経済、金利、為替、ドル、株式、物価、原油、有事」などが価格変動に密接に関わってきます。
例えば、基軸通貨であるドルの信用が下がれば、ドル安でドル建ての金価格は値上がりします。「1トロイオンス=800ドル」が1,000ドル、1,200ドルと上昇します。逆にドル高になれば、下降します。
一方、ドル安でドル建ての金価格が上昇するため、円建ての金価格も上昇傾向になりますが、円高ドル安であれば、強い円でドル建ての金を安く購入でき、円建ての金価格は本来そこまで上がりません。
「金1g=30ドル」だとしても、「1ドル=100円」なら3,000円ですし、「1ドル=80円」なら2,400円になるからです。
2009~2010年は円高ドル安が続いた結果、国際金価格は2008年11月の759ドルから2010年11月の1,370ドルまで181%の上昇しましたが、国内金価格は2,433円から3,665円と151%に留まりました。
ただ、約151%も上がっているように、ドルが安くなったときは投機マネーが通貨から人気の金にシフトしますので、ドル建ての金価格が上昇すれば、同時に円建ての金価格も上昇します。
また、ドルだけではなく、世界各国で不況が連鎖するといった通貨全体の信用不安が訪れた場合も、ただの紙切れでしかない紙幣よりも、商品としての価値もある純金への買い換えが増え、金価格は上がります。
「原油価格の下落で値上がりし、上昇では値下がりやすい」
「有事になれば値上がりし、世界が平和であれば値下がる」
「インフレで値上がりし、デフレで値下がりする」
これらも為替同様に一要因に過ぎませんので、あくまで目安として理解したいです。
また、金は作物と違い気候変動の影響もなく、既に地球上にある埋蔵量が知られています。他の影響で価格は変動しますが、そのものの価値はある程度一定であることも覚えておきたいです。
純金はよく「国籍のない通貨」と例えられます。誰しもが認める価値と信頼がある資産です。
為替は国が危機に瀕すると価値が下がりますし、株は会社が倒産すると価値はなくなります。金と同じくらい人気があった原油でさえ、使ってしまえば消えてなくなる物質で、金のように残りません。
金は世界中の国が金融危機に陥っても、価値は下がらず、むしろ上がりますが、仮に「世界中が平和で好景気に溢れると、金価値は下がる」というわけでもないです。
逆に通貨ではなく、商品としての価値は高まり続け、需要がなくなることは決してありません。
ただし、純金には爆発的の需要がない分、急激な値上がりは期待できないません。採掘しにくくなっていますが、まだ在庫はあります。
しかし、その価格変動が少ないからこそ純金積立に的確とも言えます。ゆっくりと価格が上がっていくからこそ積み立てに適しています。急激であれば、ハイリスクハイリターンにだからです。
商品としての存在価値を保持しつつも、通貨にもなる投資マネーとして捉えられることは、純金特有の魅力でしょう。次の「失敗しないための7ヶ条」は4つ目、2000年以降は上昇トレンドを紹介します。
2000年以降は上昇トレンド
レアメタルの需要と埋蔵量