商品は必要性が高いほど、価格は上がっていきます。供給量が少ないとなおさらです。
純金の需要と供給のバランスも商品と似ています。右の図は地上に存在する純金の割合です。
2009年の最新データによると、まだ採掘していない「採掘可能埋蔵量」を抜かせば、合計で約17万トンあり、2010年11月の金価格に換算すると、600兆円ほどになります。
その中でも宝飾品が約83,700トンで約50%を占めます。次に民間投資用が29,600トンで約18%、公的保有が28,900トンで約18%、工芸品などが19,800トンで12%、不明が3,600トンで2%でした。
しかし、これは太古から累計であり、年間の需要ではありません。現在では民間投資用が年間1,901トンで、宝飾品の年間1,759トンを上回りました。
電子機器、医療機器、メッキなどが含まれる工芸品も、ここ数年の需要が伸びていますが、年間350トンほどで投資需要には及びません。
ただ、この円グラフで注目すべきは、採掘可能埋蔵量です。純金はすでに2/3を掘りつくし、残り1/3しか採掘できません。1/3の純金の量は約60,000トンであり、50mプールに換算すると1杯強しかないです。
さらに金は採掘しやすい鉱山から採っているために、これから採掘するにはコストがかかります。このように純金の需要は高まりながらも供給が限られているため、価格が上がっていくとされています。
投資需要が高まっている金ですが、根本的に純金には人を魅了する性質があります。純金よりも手に入りにくい物品はありますが、人は視覚的に金に美しさを感じ、富の象徴として崇めてきました。
つまり、純金は市場的な価値以外に、心理的な価値を兼ね備えています。これが商品としての金の需要を高めている要因です。
例えば、金の消費国第1位のインドでは、魔除けや厄除けとして金を保有する歴史があります。結婚するときも嫁ぎ先に持参金として金製品を持っていき、結婚式の衣装でも金をまといます。
中国でも金やプラチナのアクセサリーは人気です。単なるファッションではなく、宗教的な思想と資産運用の相乗効果があるからです。
携帯電話やインフルエンザの検査薬にも金は使われています。これらの需要は純金に「商品」としての価値があるからです。
一方で「マネー」としての価値も高いです。株券や債権などの有価証券、または貨幣さえもその価値はインフレや有事などで下落します。
金融恐慌をきっかけにした、日本型の不況でも実証済みで、状況によっては株券が紙くずになるリスクを伴いました。
しかし、為替レートが乱高下したり、株価が下がったりした場合は、投資対象が純金に仕向けられ、むしろ価格は上がりました。
今まで純金自体が貨幣の変わりになった歴史もあります。この「商品とマネーの二面性」は金融資産の中でも特異な存在です。
貨幣は各国が管理しており、世界中で為替として売買されています。株式は会社が発行しており、各証券会社を媒介して取引されています。
純金も誰かが管理しているのかと言えば、日本金地金流通協会のようなグループもありますが、管理者はいないです。
手にした人が所有者であり、管理者でもあります。もちろん、純金積立は安全に管理されていますが、それでも金地金自体には所有者を示すような証文もありません。
金地金は管理者がいなくても、自然に価値が管理され、信用があります。逆に信用が必要なものには管理者も必要と言えます。
貨幣や株式も極論はただの紙切れであり、信用しているからこそ価値があります。逆に信用がなくなったときに価値はなくなります。金にはこのような信用リスクがなく、存在自体に価値がある金地金はあらゆる変動に強い物質と言えるでしょう。
純金の需要を理解したところで、次の「失敗しないための7ヶ条」の2つ目、純金積立会社の生産と保有を紹介します。
純金積立の用語辞典
純金の相続税と贈与税